いい空想。




ほぼ日刊イトイ新聞を読ませていただいている。




 毎日更新される巻頭コンテンツに、「今日のダーリン」というのがあるが、これが次の日には消えてしまう1日限りの内容で、いつも、読み返したり再び味わいたくなったりしたいのにと存分に楽しんだあとで、残念に思っていた。そこで今日は引用させていただきたいと思う。


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・大学生時代に、1741の日本の市町村(離島も含め)すべてに行ったという仁科勝介(かつお)さんが、カメラマンとして仕事をするようになって、こんどは東京23区すべての駅を回って写真を撮るという。はじまって間もない連載を読みはじめたら、ぼくもわりとよく知っている広尾周辺に行っていた。

つい、こういうところで、ぼくは言いたくなる。「この有栖川公園って、ぼくが娘にあげたんだ」とね。つまり、有栖川宮記念公園はぼくの娘のものなのである。ただ、ずいぶんと広いし管理が大変だから、港区にそっちの方はやってもらうことにしている。入り口を固く閉ざして他人を入れないという考えはない。せっかくのいい場所なんだから、広く皆さんに開放して、気軽に自由に出入りしてもらったほうがいいと、「それでいいよね」と娘に確認して、そうすることにした。ただし、最低限のルールは守ってもらおうということで、いくつかだれでも守れるような規則はある。バーベキューとかはしちゃだめだ、自転車は降りてね、図書館もあるから静かに利用してください。いまのところ、とてもうまく行ってるようでうれしい。

ぼくは、他にも「ほぼ日」の乗組員たちに、いろんなものをあげている。見上げるようなタワーマンションとかを、「いいなあ」という目で見ていたデザイナーには、「ほしい? あげるよ」とその場でプレゼントした。みんなのよく知っている永田さんには、吉祥寺で、お昼を食べに行くときに見かけた「ちょっとした空き地」をあげた。飛行場だとか消防署だとか、ほしそうにしていたらその場でもらってもらうことにしている。どうせ、住みやしないんだから、他の人が使っていてもいいのだろうと思う。このごろでは「あげようか」と言うと、断られることも多くなったので、しばらくあげてない。値段のことだとか、手続きとかはぜんぜん気にしてない。だれかに代行させて自由にやらせておけばいいと思ってる。イーロン・マスクとかが、ロケット的なものについては、ずいぶん代理でやっててくれるんで、助かってるよ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。有栖川公園は、いずれ娘の娘に渡されることになるだろうね。

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 「あげる」とか、「ぼくのもの、娘のもの」とかいう言い方は、ほんとはあり得ないことなんだけど、どうにも昭和の子どもたちが言ってたような雰囲気が残っていて、なんとも味わい深い。しかし、現代の人たちにそれを話すと鼻であしらわれて相手にされない主人公なのである。








 それでもご本人様は、「ぼくの娘の公園はまもなく孫のものになる」という無邪気さである。なんとも微笑ましくて、思わず何かに例えて真似したくなったのであった。え、なにを例えるか?・・・ううむ、すぐにはおもいつかないのだけれども。






よい文章よい気持ち

いらっしゃいませ。 ちょこちょこ、文例になるコラムを書いてあげています。 参考までに、どうぞ。

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